きみはほんとうにステキだね

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自分に自信がない、自分のことが好きになれないこう思ったことがある人は多いのではないでしょうか。

SNSで他の人のキラキラした日常や成功を手軽にのぞきみることができるようになり、憧れを抱く反面、同時に劣等感を覚えるという経験はありませんか。

何を隠そう、私はそんな人です。

人一倍、劣等感は強いかもしれません(笑)

自分の全てを肯定することは難しいです。

でも、そうであっても、「自分だってダメダメなところばかりではないのかも…。」と思うことができれば、見えてくる景色は変わってくるかもしれません。

今回はそういう気持ちにさせてくれる絵本の紹介です。

こちら

きみはほんとうにステキだね (絵本の時間 41) [ 宮西 達也 ]

価格:1540円
(2024/12/4 16:37時点)
感想(133件)

宮西達也さんのティラノサウルスシリーズの第3弾「きみはほんとうにステキだね」という絵本です。

引用

むかし、むかし、おおむかし。

あばれんぼうで いじわるで

ずるくて じぶんかってな

きょうりゅうがいました。

と、紹介される主人公の「ティラノサウルス」が大切な友達と出会うことで…。

という物語です。

1.『あの子に似ているな』

私がこの本に出会ったのは、私がまだ法務教官として少年院で働いているころでした。

夏休みの読書感想文用に何かいい本はないかと本屋さんで探しているときでした。

(少年院の夏休みといっても家に帰れるわけではなく、いつもとちょっと日課が変わったり、読書感想文や絵画などといった特別な課題がだされたりするというものでした。)

表紙に描かれているティラノサウルスの目つきが、当時、担任をしていた少年によく似ていたことに気づき、興味をひかれました。

暴れん坊が主人公で、漢字もなくて、物語の長さも短い。そんなところが当時の少年にぴったりだなと思い、軽い気持ちでこの本を買って帰りました。

2.『私』にぶっ刺さる

家でゆっくりと読んでみて驚きました。

まぁ、刺さる刺さる。自分に突き刺さる(笑)

似ているのは、あの子じゃない。似ているのは私でした。

自分では暴れん坊とは思わないけれど、いじわるで、ずるくて、自分勝手で、おまけに友達に嫌われまいとウソまでつく。

大人になってとうの昔に卒業したはずの、子どもじみた、嫌な自分の姿が絵本の主人公と重なりました。

引用

ティラノサウルスは、なぜだか うそを ついてしまいました

自分にも思い当たるところがあって、ティラノサウルスと同じように胸の痛みを感じ、同時にティラノサウルスを好きになっている自分に気づきました。

3.夜空がステキ

これ以上の内容は読んでいただくとして、改めて読み返してみると、絵のステキさにも心ひかれました。

特にクライマックスからラストにかけての夜空の美しさが印象的です。

むかしむかしのおおむかしの「きょうりゅう」たちが住んでいた世界には満天の星空が輝いていたのかな、と想像をかきたてられ、ストーリー展開との対比に、心が強く動かされました。

作者の宮西達也さんの絵が持つピュアな力強さが、私は好きです。

4.まとめ 100%の完璧超人じゃなくても

今回は宮西達也さんの『きみはほんとうにステキすてきだね』を紹介しました。

ティラノサウルスはかけがえのない友達と出会うことで、自分でも知らなかった自分の一面を知ることができます。

私はときどき自分になんの価値もないのではないかと思い、落ち込むことがあります。

でも、全てが完璧な人間がいないのと同じように、全てがダメダメな人間もそうはいないはずです。

自分も、ダメなばかりな人間ではないかもしれないと前を向けるようになったとき、他の人に優しくなれるような気がします。

お話自体も感動的なのでぜひお手にとって読んでみてください。

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